「君の名は。」

 話題作として気になっていたし、期待もしていた映画だった。地上波で放送されたのを録画して観てみた。ストーリーについては東京と田舎の高校生男女が入れ替わるのと、彗星がどうこう、というぐらいの前知識しかなかったので、まず「なるほどこういう話だったのか」という感想が大きかった。入れ替わりが思いのほか早い段階で途絶え、その後の展開が大きく動いていくため、退屈する間はなくテンポがいいと思った。

 眠っている間に見る夢というのは確かにおぼろげで、夢に出てくる人や物の名前、書いてある文章などは記憶に残りにくい。そういう実感を拡張して描いたともとれるので、名前を思い出せないというシナリオはすんなり納得できた。

 新海誠の作品は「秒速5センチメートル」をはじめ数作は観ているが、人物の描き方が自然になってきていていいと思う。キャラクターの表情も豊かで、背景の美しさと併せてアニメ映画としての良さが出ていた。

 しかしあのご神体、実際にあったらインスタ映えして観光客が殺到するだろうな、と思った。

 あと選挙に関してはいろいろと突っ込みたいポイントがあった。事前運動に饗応など。日本広しといえど、あれほど選挙管理委員会や警察が機能しない町長選挙って、実際にあるんだろうか。 

秒速5センチメートル 通常版 [DVD]

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