「冷たい熱帯魚」「恋の罪」
長く気になっていた園子温監督の作品に挑戦しようと、この2作を選んで観てみたが、現在のところ、自分にはよく分からなかった。「愛のむきだし」「ヒミズ」あたりはまだ気になるのでいつか挑んでみたいけれど……。
あと、どうやら自分は神楽坂恵の演技があまり好きではないらしいことが分かった。「恋の罪」の最後の最後あたりは良く見える瞬間もあったけれど、基本的に演技が自然と入ってはこなかった。
どちらかといえば「冷たい熱帯魚」の方がまだ自分なりの観方ができた。圧倒的で醜悪な暴力によって追いつめられた主人公が形勢を逆転した瞬間、自分の中で生まれる爽快感に気づかされる映画かなと思った。終わり方も納得できた。
良いなと思ったのは、吹越満とでんでんの演技。もはや台本があるとも思えなかったし、二面性にも説得力があった。
あと、浴室で愛子の体から立ち上る湯気に生き物の温度が感じられてハッとなった。
「恋の罪」。音楽は良かった。
どんなに狂気に満ちた光景を目の前にしてもずっとひとりで大笑いしていたカオルが、なぜあの場面に限って突然怯え始めたのかが理解できなかった。
カフカの「城」を読めば少しは分かるのだろうか。東電OL殺人事件についてちゃんと調べればもっと読み解けるんだろうか。