2017-01-01から1年間の記事一覧

「ブレードランナー」

SF映画はあまり観ないが、最近続編が公開されたことや、大学院時代の恩師がどういった文脈でだったか言及していたのをずっと覚えていたことなどから、ようやく観てみることにした。アンドロイドやサイボーグが意志をもち人類の脅威となるという、いまではテ…

「薔薇の名前」

中世の修道院を舞台にした原作小説の映画ということで、ずっと前から気になっていた。ただ題材は連続殺人事件の謎を解くサスペンスで、それほど興味を引かれていなかった。 結果として、なかなか面白い映画だった。何よりも舞台美術が素晴らしい。実際の修道…

「フランドル」

とにかく最初から最後まで虚しさに覆われたような映画だった。生も死も、セックスもレイプも、殺すことも殺されることも虚しい。抑揚なく、ただ淡々としている。 どの戦争に向けての招集なのかが分からなかった。製作された頃にフランスが参加した戦争は何だ…

「さらば、わが愛 覇王別姫」

1920年代から日中戦争を経て文化大革命後に至るまで、中国の伝統芸能・京劇の担い手が徐々に社会の激動に巻き込まれていく姿を描く。 まず冒頭から映像の美しさが際立っている。アリーナにスポットライトが当たるさま、京劇の舞台や衣裳、化粧はもちろん、金…

「PK」

マーティン・スコセッシ監督の「沈黙 ―サイレンス―」を「陰」とするなら、この映画は「陽」。宗教とは何か、信仰とは何かを明るく問いかける。宗教学の入門編にいい映画だと思う。 面白いのは、PKが神の存在を信じているところ。信じているからこそ、あらゆ…

「出会いなおし」

この1作前の「みかづき」で本屋大賞2位となった森絵都の短編集。6編が収められているが、いずれもタイトルの通り「出会いなおし」が物語の重要なファクターとなっている。 表題作の「出会いなおし」に始まり、「カブと塩昆布のサラダ」までは、森絵都らし…

「ヴィットリオ広場のオーケストラ」

ノンフィクションかと思って借りたらドキュメンタリーだった。 イタリア・ローマで暮らす移民の音楽家たちを集めて楽団を組み、閉鎖の危機にあったアポロ座で公演するまで、2001年から2002年までを追った作品。 楽団員集めに映画のほとんどの時間を…

「7月4日に生まれて」

ベトナム戦争の帰還兵が、下半身まひとなった体や過酷な戦争体験、信じていた祖国や周りの人々から裏切られた失望感から、激しく苦悩しながら生きる道を探る話。良い映画だと思う。 というのは表面的なストーリーにすぎなくて、もうちょっと俯瞰的に見ると、…

再利用

それほど記事も書いていないのに放置していたこのブログを整理して、再利用の道を探ることにした。 更新頻度は相変わらず少ないだろうけど。