「アデル、ブルーは熱い色」

 アデルを演じたアデル・エグザルホプロスの、子どもみたいな泣き方が良かった。ああいう、しゃくり上げるような泣き方をする女優は珍しいと思う。
 顔だちも童顔だけど、あの泣き方が一層、幼さや、エマをはじめとする他人への依存性を強く感じさせる。

 「ブルーは熱い色」というタイトルの通り、青色を身に纏っている方が2人の関係を主導していく構図なのは分かりやすかった。
 そのほか、関係性の構築に向かうエネルギーみたいなのは、食べるシーンにも映し出されている気がした。序盤はムシャムシャと頬張るシーンが印象的だったアデルが、終盤に近付くにつれて食べなくなっていくように感じた。

 この監督の癖なのか分からないけど、人物を撮るときのカメラとの距離感がほぼ一定だったように思う。